タイ伝統医学が生まれるまで
タイでは紀元前480年頃前から現代にいたるまで脈々と受け継がれてきた「タイ伝統医学」というものがあるのをご存じでしょうか。
いにしえの時代に仏教とともに伝来した伝統医学は、西洋医学が存在しない時代に、ハーブやマッサージなどで人々の病を治癒させ、多くの人々の命を救ったとされています。
その後、西洋医学が台頭するまで、人々は体調がすぐれないと寺院へ行き、マッサージや薬草(ハーブ)を使った治療を受けていました。その後、伝統医学としての外科的アプローチ、内科的アプローチ、心理学的アプローチや、助産医学的アプローチなどが確立され、それらが王室の宮廷医によって受け継がれて今に至ります。現在、タイでは西洋医学の医師免許のほか、伝統医学の治療にあたる場合は伝統医学の医師免許も取得が必須となってるほど、一つの医学として確立されています。
チャオプラヤアバイブーベ病院の誕生
今から110年以上前、国王家チャオプラヤアバイブーベ氏が近隣の民のために、伝統医学を活用して健康的な生活を推進するために私財を投じてスタートさせたのが、今やタイでは知らない人がいない「チャオプラヤアバイブーベ病院」です。治療費や薬代が高額で市民が気軽に西洋医学の診療を受けることはできない時代に、これまで受け継がれてきた伝統医学を用いて、安価で安心していつでも気軽に診療を受けられる病院をつくりました。院では、主にハーブを用いた診療や、西洋医学を否定するのではなく、融合させることはできないだろうかと考え、「伝統医学」「西洋医学」を統合し、最先端の総合医療病院をスタートさせたのです。
チャオプラヤアバイブーベ国立病院として
そして現代、タイの「伝統的な医療」と「西洋医学」が統合した最先端の統合医療研究、教育・開発の拠点となっているのが現在の「タイ国立総合医療センター チャオプラヤアバイブーベ病院」です。当病院は伝統医学と西洋医学と融合を図る医療機関としてはもちろん、ハーブの国立研究機関としても、 その成果が世界中の医療関係機関から注目されています。
温故知新
ハーブの王国と言われるタイのハーブ品種は、2000種以上と言われます。今、ハーブの効果効能に関する研究はスパポーン博士を中心に4人のメンバーで行われ、温故知新の毎日です。タイ伝統医学は、タイ王国の貴重な財産です。2019年、タイ政府6省に渡って知識として記録されている伝統医学の整備を行うべく「タイハーブ国家政策委員会」を設立し、世界一のハーブ立国を目指しています。
活かし方
タイでは同じハーブでも、家庭によって、地方(地域)によって、調理方法によって様々な活用方法が異なります。現在、各家庭に伝わってきたハーブの活かし方を記録保存し、効果効能の実証を採る取り組みも行っています。膨大な歴史的資料が集まり、その価値は人類の健康を守る不変なものとして、アバイブーベのスパレストランでハーブを使用した様々なメニューとして再現されます。
アバイブーベSPA
アバイブーベCafe
沢山の
ハーブ書物
今、タイの伝統医学と最先端医療研究の融合から生まれたチャオプラヤアバイブーベ病院は理想的なハーブ医療を実践している機関として、そして病院施設のほか、博物館、ハーブの薬局、スパやレストランがある巨大な総合医療施設として世界中に知られており、日々国の内外からその恩恵を受けるべく多くの人々が訪れています。